ユーロディズニーに行ってきた 日仏比較論?

先日ユーロディズニーに行ってきた。
もちろん目的は子どもを楽しませるためであり、所期の目的は十分に達成したわけだが、その目的以外にも興味深い発見、いや発見というほどではないがいろいろと気づきがあったので、所見のようなものとしてそれを書き留めておきたいと思った次第。


パリから南東に40km程度

フランスではありふれた景色、つまり見渡す限りの畑に囲まれた道を車で走っていると、遠くに三つ葉のクローバの書き損ないのようなもの、あるいはデフォルメされた小動物の耳と頭部らしきものが見えてくる。それはまさに畑の真ん中に突然現れるといった風情。その点でまず千葉・浦安の埋立地とはいえ町ともそれなりに近接する東京ディズニーランド(以下、TDLと書いたりもする)とは少し趣を異にする。

TDLにはじめて行ったのは13才だったかなぁ」「へー、ぼくは25才くらいだったな」「誰と???私と23才から付き合ってたのにね」「あっ、間違えた。たしか22歳だった・・・」みたいな下らない会話を子どもの前でかわしつつ、駐車場に着いたのは11時ごろであったろうか。

まったく列もなく、駐車場入り口へ進むと、おじさんと、こんにちは、15ユーロね、よい1日をー、というやりとり。そこには夢の国の入り口という気負いは感じられず、でも高速道路料金所のおじさんよりは幾分かテンション高めだということを人によっては察することができるといった程度。

駐車場はまだガラガラ。TDLの11時はどうなのでしょう。いかんせんあまり行ったことがなく比較できない。

入場券のところでインターネットで購入したプリントアウトを差し出すと、フランス人のお姉さんが「えーっと、フランス語と英語どっち?」とフランス語で聞いてくる。「じゃあまぁフランス語で」と妻、「この紙はあっちの窓口でチケットに換えてきてください」というようなことを言うので、チケット窓口へ。
チケット窓口のお姉さんは何も聞かず最初から最後までフランス語であったが、もっと呆けた顔をすれば英語に切り替えてくれるのかもしれない。いずれにせよ今日は19時までとか、このチケットで1週間後以降にもう1回入場できるとか言っていたようなのであまり注意深く聞かずチケット受け取り。

このように言語コミュニケーションについては一応フランス語と英語対応なのだが、ここはフランスなのでやはり仏語優勢。場内アナウンスや看板は英仏併記といった具合。実際客はフランス人と非フランス人が半々といった印象。英語圏以外では、北欧、ドイツ、オランダあたりが多そうなので、英語で言っておけば問題ないのだろう。


さてアトラクションへ

子どもの要請によりまずはダンボ乗り場へ。耳の大きいかわいらしい象が飛ぶというあれである。
ここで30分ほど待ち、結果的には今回のった6つのアトラクションのなかで最大の待ち時間であったのだが、ここでもやはりフランスらしい光景が。
20台程度のダンボ機があるので、並んでいる順に前から20組が通されるのであり、当然ゲート横のスタッフが数えて通す人数を調整している。で見ているとある親子が通されて、どの色ののダンボがいいとかいろいろあってぐるっと一周回って気がつくとすべてのダンボが埋まっていた。それをみたスタッフ「早く乗らないといっぱいになっちゃうんだよー。じゃあ次ねー」。あなた数えてたんじゃないのか!?
もちろんこんなことを気にしていたら欧州では生きていけないのでみんな気にしないのだが、TDLで同じことは起こらないのではなかろうか、よしんば起こったとしてもスタッフ(キャスト?)が言うセリフはもうちょっと違うものなのでは、と思った次第。
よく見ていると、逆にゲートを閉めてみんながダンボに座った後に、キャストがまだ空いているダンボをみつけると「あと2組来てー」というのを頻繁に、というか毎回やっているようで笑える。結局のところ数えているようにみせて数えてないというのが正解なのかもしれない。


価格の不思議

その他いくつか、カルーセルや宇宙船みたいなのやIt's a small worldなどのアトラクションを楽しんだところで疲れてカフェテリアへ。空いている。テーブルも空いているし、レジもまったく並んでなくて楽。TDLではこういうところも混んでいたような。
また驚いたのはその価格、おやつ休憩という感じだったので、ドーナツ、パン、クッキーとカフェ2つを買って総額7.2ユーロ。明らかにパリの市中価格よりもかなり安い、恐らく半額よりもずっと。こういうところって物価高めなのが普通なのにどうして??不思議。

欧州では値付けのされ方ががよく分からないことがままある。
ここでは安くていいんじゃないってところで高かったり、ここでは高くても売れるよねーというところで意外と安かったり。価格は需要と供給の関係で決まるという需給曲線グラフを持ち出すまでもなく、同じ商品でも場所や時期で値段が変わるのはリーズナブルだと思うし、日本ではこの市場による価格決定メカニズムがあまり働いていない気がするのだが、それは恐らく日本人がそれを嫌っているからであろうと思うのだけど(電力不足を価格メカニズムで回避、というアイデアも日本では嫌われるね。曰く、貧乏人は使うなってことか、と)、欧米ではその辺とても柔軟に動いていると感じる。たとえば電車や飛行機の予約サイトみてると空席状況に応じて刻一刻と値段が変わるし、繁忙期のホテルの値段は4倍になるといった具合。

話はそれたが、値付けに関して柔軟だというのはその通りだけど、ヨーロッパでは(フランスでは?)逆に理解出来ない値付けも頻繁に見られる。50m離れただけの2つの店で、同じ水の値段が2倍以上違ったり、1ブロック先の薬局でコンタクト保存液が40%以上高かったり。特売とかじゃなくて毎日売っている通常の値段がね。
たぶんそこまで真剣に考えて値付けしてない店が多いというだけの理由だと推測しているがどうなのだろう、考えた事のある人がいたら教えてほしい。


話を戻して、カフェの後、トイレに行ったり、船に乗ったり、子どもが寝たり、パレードを見たりして17時半頃帰路に着く。思ったより長居してしまったが、帰りも幸い渋滞はなくミッキーの顔のついたぺろぺろキャンディー、そう渦巻き模様のDr.スランプアラレちゃんに出てくるけど日常ではめったに見ないあれ、を舐めながらまだ明るいヨーロッパの夏空の下を北西へと走ったのだった。

他にも気づいたポイントがたくさんあったので、ただここで書き連ねると冗長になり過ぎるので、また次回改めてメモとして書くことにした。

ではまた。